超音波検査(エコー検査)について
エコー検査は超音波を使った画像検査で、臓器の大きさや形状の変化、腫瘍などの発見に役立つ検査です。X線やCTのような被爆が無く、痛みを伴わない安全性の高い検査なので、お子様や妊娠中の方でも安心して受けることができます。
エコー検査は、腹部領域をはじめ甲状腺、頸部や下肢の血管、心臓、関節など多岐にわたる臓器の検査に用いられます。検査時間は15~20分程度で、結果は当日に聞くことができます。
エコー検査には即時に今の状態を観察できるという利点があり、腹痛や胸痛などの緊急時対応から精密検査まで、幅広く利用されています。
近年では身近な検査となり装置の小型化・高性能化が進んでいる中で、当院では2019年に肝硬度測定や微細な血流の評価ができるSMIなどのアプリケーションが搭載された最新鋭の装置を導入しました。
超音波検査士の資格を持つ技師が検査を担当し、日々の臨床診断の一助となっています。
腹部
基本的には検査の数時間前から絶食をしていただき、肝臓・胆のう・胆管・膵臓・腎臓・脾臓といった臓器を中心に観察していきます。
検査の目的により、消化管や泌尿器、婦人科領域、腹部大動脈なども観察可能です。
検査部位によっては、尿を溜めて来院していただく場合もあります。
甲状腺・頸部リンパ節
甲状腺や頸部リンパ節に腫れが無いか、結節(癌などを含む)が無いかを検査します。
甲状腺の腫れは、バセドウ病や慢性甲状腺炎、痛みを伴う亜急性甲状腺炎などの疾患でみられます。
首元が広く開いている服装で来院していただけると検査がスムーズに行えます。
頸動脈
脳に血液を送りこむ通り道である頸動脈や椎骨動脈を検査します。
血管の狭窄はもとより血管壁の厚みをチェックすることで、脳梗塞の予防・早期発見や全身の動脈硬化の予測となり、大変重要な検査です。
下肢血管(下肢動脈・静脈)
下肢動脈は、動脈硬化による下肢の血管の閉塞や狭窄の有無を検査します。一般には、先に脈波図検査を行いその可能性が疑われた場合、
エコー検査で詳しく病変部位や重症度を評価していきます。
下肢静脈は、下肢のむくみがあり、いわゆるエコノミークラス症候群のような病態が疑われた場合に、静脈血栓の有無を検査します。
目的により動脈か静脈かは異なりますが、どちらも足の付け根から足首あたりまで広範囲に観察しますので、ズボンやストッキングなどは脱いでディスポーザブルの短パンなどに着替えていただいております。検査時間は30分程度です。
心臓
胸部レントゲンや心電図などの検査、心雑音や胸部症状などで心臓疾患が疑われた場合に検査します。
心臓の動きがリアルタイムで観察できますので、心臓のポンプ機能や弁膜症、心筋症や心のう液貯留、心臓内の腫瘍や血栓の有無などがわかります。
関節
関節リウマチの診断、および薬物治療の効果判定などを目的に検査します。
エコー検査は、X線検査だけではわかりにくい関節滑膜の腫れや微細な血流の亢進が観察できるため、早期の関節リウマチの診断に於いては特に有効とされています。手指、手首、肘、肩、足趾、足首、膝、股関節などを観察することができ、検査時間は部位により異なり15~40分程度です。
検査部位を出しやすい服装で来院していただけると検査がスムーズに行えます。